ゲーム業界における「セカンドパーティー」の特殊な立ち位置について説明していくよ!
オッス!オラ、ゲームおじさん(←実は悟空は本編でこのセリフを一度も言ってないんやで)
最近は『ポケットモンスター サンムーン』や『ファイアーエムブレム ヒーローズ』など、セカンドパーティーのゲームが注目を浴びることが多い。
「セカンドパーティー」ってのは、日本のゲーム業界独特の言葉で、ゲーム機市場が強い国内の業界をよく表していると思うんや。
今回はおじさんが「セカンドパーティー」とは何かっちゅうことについて説明していくぞ。
セカンドパーティーとは何か
「セカンド」がどうこうっていうよりも、ゲーム業界には
- ファーストパーティー
- セカンドパーティー
- サードパーティー
という3つの括りがあるんや。
表にしてまとめると、こんな感じやな。
区分 | 意味 | 具体例 |
---|---|---|
ファーストパーティー | ハードとソフトを両方作っているところ | 任天堂、ソニー、(かつての)セガ |
セカンドパーティー | 一つのハードメーカーのみでソフトを出すところ | ゲームフリーク、HAL研究所 |
サードパーティー | ソフトだけを作っているところ | スクエニ、カプコン、コナミ |
家庭用ゲーム大国ニッポン
上の表を見て、「なんでそんな区分をせなあかんのや。そんなんハードつくる会社とソフトつくる会社って分け方でええやん」って思った人も多いと思うんや。まあたしかにその通りや。
スマホゲーム全盛の今は、アプリ出しとる全部のメーカーが「サードパーティー」に当たるもんな。
ただ、ファースト・セカンド・サードって言うのは、「家庭用ゲーム機(コンシューマーゲーム)」が全盛だったときに使われていた区分なんや。
ここから言えるのは、当時、日本において「ハードメーカー」がものすごい影響力を持っとったって言うこと。
アホな輩が「任天堂派」と「ソニー派」に別れて毎日のように言い争いしとったくらいやからな。
ちょっと怒られるかもしれんけど、わかりやすく雑に言えばこんな感じや。
ファーストパーティー | ソフトだけじゃなくてハードを作れる偉いところ |
セカンドパーティー | ファーストパーティーの子分 |
サードパーティー | ソフトしかつくれんけど子分にはならない |
スクエニさんとかカプコンさんは、任天堂でもソニーでもソフト出すやん。
一方で、『ファイアーエムブレム』を作っとる「インテリジェントシステムズ」さんとか、『ポケモン』を作っとる「ゲームフリーク」さんとか、『ゼノブレイド』の「モノリスソフト」さんとかが、セカンドパーティーにあたる。
任天堂のハードだけで出すソフトを作り、(広い意味での)任天堂のゲームを作っているメーカーのことや。
「セカンドパーティー」は任天堂のための言葉?
Wikipediaに書いてあったんやけど、もともと任天堂が提唱した言葉らしいね。
まあそれも納得で、ソニーもセガもマイクロフトも、ほとんど「セカンドパーティー」という存在を持たない。
ソニーは『みんなのGOLF』の「クラップハンズ」さんや、マイクロフトはかつて任天堂傘下だった「レア社」を自分のもとに引き入れたけど、それでも任天堂が誇る強力なセカンドパーティー陣にはずっと見劣りする。
任天堂のセカンドパーティーは、
- HAL研究所(MOTHERやカービィやスマブラなど色々)
- インテリジェントシステムズ(FEやペーパーマリオなど色々)
- モノリスソフト(バテン・カイトスやゼノシリーズ等)
- レトロスタジオ(メトロイドシリーズ等)
- ゲームフリーク(主にポケモン)
というスゴすぎる面々で、他にもたくさんの子会社や下請けがある。
消費者のほとんどは、セカンドパーティーが作ったソフトも、「任天堂のもの」として認識していると思う。
セカンドパーティー側からしたら、任天堂の意向に沿ったものを作らなければいけない代わりに、「任天堂のソフト」として作品を作ることができるし、しっかりブランド力が確保される。
それが成り立つくらい「任天堂ブランド」がすごいということだし、任天堂側にとってもセカンドパーティー側にとってもメリットがあった。
任天堂を支える「セカンドパーティー」達
任天堂にとって、セカンドパーティーはなくてはならない存在だ。マリオやゼルダなど主要ソフトでも部分受託などしている。
ただ、単なる「下請け」というわけでもなく、作品を大切にしていく上で培われた、独特の信頼関係のようなものを、(外側から見ていてだけど)感じる。
やっぱり任天堂の元でゲームを作りたいと考えるクリエイターは多いのだと思う。
2017年の2月に、「ガチャ」もあるスマホ向けアプリゲーム「ファイアーエムブレム ヒーローズ」がリリースされた。
(任天堂、ファイアーエムブレム ヒーローズ 2017年)
任天堂にとっての難しい判断の先鋒を、IS(イズ)さんの愛称で任天堂にも親しまれているインテリジェントシステムズの代表作が担当した……。
実は、任天堂とインテリジェントシステムズは、資本関係は一切なく、単純に信頼関係のみで繋がっているんや。
こういう、メーカー同士のアツい繋がりのようなものに、ゲームおじさんとしては感動してしまうんや。
お互いにとって幸せなあり方なんやろうね。
任天堂は、本当に真剣に、ブランドのこととユーザーのことを大切にする会社やから、おじさんも任天堂のゲームを作って言われたら、嬉しくなってしまうかもしれんな。
かつて『バンジョーとカズーイの大冒険』や『ドンキーコング64』っていうゲームを作っていた、おじさんが大好きな「レア」という任天堂のセカンドパーティーがあった。そこは色々とあって任天堂の元を離れてしまったんやけど、今も任天堂の元におったら、どんなソフトを作っとったんかな、と思うことがたまにある。
ちょっとポエムチックな締めになってしまったが、まあそういうことや。