旅行にいかなかった人生
ゲームおじさんや。
今日はゲームの話じゃなくて、ゲームおじさんの話をしたいと思う。
ゲームおじさんは漫画家の「福本伸行」氏のファンなんやけど、その中でも『最強伝説黒沢』って作品が大好きなんよ。
- 作者: 福本伸行
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作中に出てくるセリフなんやけどね。
いつの頃からだろう…
カップルはそれほど、気にならなくなった。
それよりたちが悪いというか…
目に痛いのは、
子供連れだ…!
オレの人生がもし…
平均的というか…
ごくまともに推移していたならば…
今頃は…
っていうのがあって、まあ、中年の慟哭が綴られてるんやけど、ゲームおじさんとしても大いに共感するところなのよ。
本当に、モテない中年の気持ちをしっかり捉えてると言うかね。
いわゆる「キモくて金のないオッサン」ってやつよ。
自分は、根源的なさびしさというか、敗北感というか、そういうものを抱えながら生き続けていかんといけんのやろうね。
そして、誰もがちょっとした悪意で多くの人を不幸に陥れることができるこの社会で、希望を失った自分という人間がいかに危険な存在なのかを、ゲームおじさんは自覚しているつもり。
だからこそ、自分はゲームを遊んで、ゲームを作り続けるのかもしれんね。
で、本題なんやけど、世間はゴールデンウィークや。
なんでこんな感傷的な思いを抱くかと言うと、みんなけっこう色んなところに旅行しとるんやなって思って、なんかよくわかわらんけど急に悲しくなってしまったんよ。
ゲームおじさんは、今までの人生で旅行というものをまったくしてこんかった。
「インドア派」か「アウトドア派」みたいな質問が、結構相談所などではよく交わされるみたいやないか。
引きこもりってわけではないけど、社会に出て働いてる人の中では最高レベルの「インドア派」やろうね。
観光とか、食べ歩きとか、外食とか、そういうものに全然興味がないんよ。
冷凍食品やお菓子を大量に買い込んで、お家で一日中ゲームするのが何よりの楽しみや!
現実のお寺とかお城に行ったことはあるんやけど、「何が楽しいんや?」ってカンジで、それならゲームの中であらゆる空想の世界を冒険したいな、ってなってしまうんよね。
でも、そういうことをしてると、だんだん悲しくなってしまう自分がいるのも事実。
30代までは、なんだかんだで、無邪気に自分の色んな可能性を信じていたような気がする。
っていうのは、プロのスポーツ選手になれるとか若い女の子と結婚できるみたいなことではなくて、ヨーロッパに行ったり、難しい本を読んだり、マンガを描いたりとか、そういうことがまだまだできるんや! っていう漠然とした自信、あるいは余裕みたいなものがあった気がするんよ。
でも今になって思うのは、もう一生自分は、フランスに行くこともないやろうし、難しい数学の概念を理解できるようにもならんし、自分ができるほんの少しのことにすがりついて生きていくしかないんやなってこと。
もう目の前の仕事以外の、他の可能性なんてもんはないんよ。
でもそれは、ゲームおじさんがおじさんになったからではなく、20代、10代のときからそうやったのかもしれんね。
ゲームおじさん的には、「旅行」っていうのが、そういう失った可能性を感じさせる象徴になってるのかもしれん。
自宅と職場の往復で、これからも生きていくんよ。
まあ
Bloom where you are planted
(置かれたところで咲きなさい)
っていう言葉もあるくらいやからな。
可愛い女の子を侍らせてヨーロッパ旅行にでも行きたい人生やったな。
……。
連休中にしみったれた話をして、すまんな。
明日からは元気なゲームおじさんに戻るよ。
P.S. 『最強伝説黒沢』は自分の中で最高のマンガなんやけど、『新黒沢』はちょっとイマイチかな。